マダニに注意!SFTS(重症熱性血小板減少症症候群)について

 こんにちは。今年は早々に梅雨が明け、6月にも関わらず真夏日が続いていますね。
 人間もわんちゃんもねこちゃんも、夏バテに注意して過ごしたいですね。

 さて、今回はSFTS(重症熱性血小板減少症症候群)とマダニについてです。以前から聞く単語ではありましたが、先日、SFTSに感染した猫の治療にあたっていた獣医師が亡くなったという、動物病院業界にとっても大変ショックなニュースが全国報道され、ニュースでとりあげられることもさらに増えたように思います。


 SFTSはウイルス性の感染症で、主に、ウイルスを保有するマダニに刺されることによって感染します。また、感染動物の体液等を介した濃厚接触によっても伝搬する可能性があります。広島県でも、犬猫の感染が多数報告されています(猫に関しては、全国で3番目に多い発生です)。
 現時点では犬猫のSFTSに有効な治療法はなく、皮下点滴や静脈内点滴、吐き気止め、抗けいれん薬などを使用した対症療法、また、二次感染予防を目的とした抗菌剤の投与が治療の中心となります。
 SFTSに感染した犬の死亡率は20~30%、猫の死亡率は60~70%といわれており、非常に高い確率で命を落としてしまう恐ろしい感染症です。
 致死率が高いうえに有効な治療法もないとなると、SFTSウイルスを媒介するマダニの予防が大変重要となります。近年は予防意識の高まりから、わんちゃんもねこちゃんもフィラリア+ノミ+マダニの予防をされる方が多くなりましたね。マダニ予防については、いくつかお薬の種類がありますので、詳しくは獣医師にご相談ください。

 SFTSは、感染した動物から人間にうつり、重篤化する可能性があります。マダニに刺された動物の体液には触れないようにしましょう。また当院では、スタッフへの感染防御対策を行っています。ご理解とご協力をいただきますよう、よろしくお願い致します。